雪田樹理弁護士

この人についてここで触れるのはやめたかったのだが、一言だけ。


まず件の女性社員は、40歳にもなって世間知らずも甚だしい。僕は恥ずかしながら大学で法学をかじった者だから、「訴訟を起こす」ということが法によって与えられた権利の行使だということには異論はない。しかしまた、僕は芸能界の隅っこにもいる。だから「吉本興業」という芸能界のど真ん中に存在する組織に属しているのであれば、「芸能界の持つ特殊性」を理解して欲しいと思う。いくら「法は万人に平等」であっても、だ。


一体、民事訴訟を起こして何のメリットがあるのか。女性社員には一つも得るものがないと思う。もし勝訴してもその後の人生をどうするつもりなのか。このような人間はおそらく誰からも相手にされないであろう。


島田紳助のとった行動は、司法によって「事実」かつ「有罪」と認定され、その結果、既に刑事処分を受けているのだ。全国放送のTVで、しかも生放送で謝罪することは、僕らの想像以上に大変なことだったと思う。ともすれば最大の屈辱とも考えられる。


この訴訟で得をするのは雪田樹理弁護士と、下品極まりない「ハイエナ芸能マスメディア」だけだ。特に雪田弁護士は、売名にまんまと成功し、しかも自らの「間違った正義=エゴ」を合法的に体現でき、さぞ嬉しかろう。雪田弁護士はかの「横山ノックセクハラ事件」において被害者側弁護人を務めた人物。彼女は被害者が思い出したくもない過ぎた事件を「正義」に名を借りた自らの「売名」と「エゴ」の為だけに提訴させ、法廷という公の場で事件の顛末を詳細に世間に知らしめたのだそうだ。さらに被害者の「PTSD」はこの公判が原因でさらに悪化してしまったと聞いている。もし事実ならば「人権派」が聞いてあきれる。何故「和解」がいけないのか。自らの「実績」を作りたいだけではないのか。そう考えれば、両事件において被害者に強硬に「提訴しろ」とけしかけてその気にさせたこと、させつつあることは想像に難くない。それとも「吉本興業」に個人的に恨みでもあるのか。


スマトラ沖地震における各国の「援助金狂騒」の一件然り、アメリカのイスラムに対する「民主化」という名の「アメリ原理主義」の押し付け然り、最近「正義」を騙った「エゴ」がやたらと目に付く。こういう「エゴの塊の大人」の増殖、そしてその集合体である「現代社会」が、たとえば成人式で大騒ぎをするような若者を産んでしまったのではなかろうか。


窮屈で居心地の悪い世の中になったものだ。